ガイドの言うことは聞くべし
道には、馬車が並んでいる。順番で馬車に乗る
番号は121番である。事前に蠅がいるから
マスクをした方がいいといわれていた。ワイフ
はしっかりとつけている。私はもともとマスク
は嫌いなのでつけない。もう一つの忠告として
馭者から必ずチップを要求されるが無視する
ように言われた。チップはまとめて事前に
支払っているのだ。
番号を呼ばれたカップルから乗車する。なかなか
呼ばれない。やっと呼ばれるが、なんと最期に
なってしまった。
馬車は揺れが激しい。そしてかなりのスピード
で飛ばす。途中で突然渋滞。なんかみんなが文句
をいっている。きっと「おまえがどけ」「そっち
がどけ」なんて言っているのだろう。
とにかく無法状態である。
この頃になってようやくマスク忠告の意味が
わかってきた。蠅がいるから必要なのでなはく
臭いのだ。とくに馬糞の匂いと埃がひどい。
やはり素直に聞くべきであった。
でもそんな環境の中でも、はじめて町の喧噪
目の前にある。おもしろいものばかりだ。
車で通過するのとは違う風情である。
いかにも堅そうなパンが剥き出しで売っている。
なぜか女の人をほとんど見かけない。暇そうな
おやじがぶらぶらしている。通りは3輪タクシー
やトラック。馬車が行き交う。
10分といったが長く感じた。乗った馭者は、
感じがいいというか無関心な感じで、チップは要求
されなかった。しかし、スマホ片手に、ながら
運転は驚きだった。