真珠売り場でお土産さがし
「海女ショー」が終わると、まばらな
人のほとんどが、向かいにある食堂の
建物の1階に向かっている。
ワイフは、興味があったが、店員が
しつこくついてくるのではないかと
心配しているみたいだ。
人が入っているので、いまがチャンスだよ
と私が言うとワイフは重たい腰を上げた。
店に入ると、何組かの人がいた。
ショーケースの囲みの中に店員さんが、
見るともなしに我々を観察している。
買い物客よりも店員さんの方が多いようだ。
ショーケースをのぞいていくと、その度に
さりげなく店員が近寄ってくる。
私は、全く興味なしの顔をして流す。
何気なくショーケースの上おいてある
キーホルダーを見る。するとかわいい伊勢
海老を見つけた。集めているマグネットで
ある。おかげ横町にあった。大きな伊勢エビ
も気になったけど、大きすぎた。そのとき
は、もっと小さいのがあれば、なんて言って
いたけど。そのものズバリである。
でも、こんな小綺麗な真珠売り場で、しかも
おっさんがカワイイ海老ちゃんを買うのは
少し気が引けた。少し迷って、思い切って
手に取った。
そして、反対側にいた店員さんに買う事を
告げる。そのお姉さんは得に表情を変える
ことなく対応してくれた。400円なり。
クレジットを遠慮気味に差し出す。会計を
済ますと「海老ちゃん」を包んでくれよう
とする。さすがに、丁寧にお断りした。
でも、またご機嫌になってしまった。
